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GIGAスクール構想とは?学校でのICT活用の現状や目標を紹介

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2024.11.19

【学校でのICT利用の現状】

GIGAスクール構想は文部科学省が提示しているものですが、そもそもなぜこのような施策を始めたのでしょうか?その背景には、学校でのICT利用があります。
文部科学省は、現在の学校でのICT利用について、3つの問題点を挙げています。その3つについて少し紹介します。

① 学校のICT環境整備状況が脆弱なこと

学校のICT環境整備状況は危機的です。第3期教育振興基本計画で目標とされていた教育用コンピュータの設置台数は、3クラスに1クラス分程度とされていました。しかし平成30年時点でその目標値に届いている自治体は1つしかありませんでした。また、地域間によっても整備状況に差があり、地域間格差が激しいことが問題でした。

② 学校におけるICT活用が世界から遅れていること

日本の学校の授業におけるデジタル機器の使用時間は、OECD加盟国で最下位でした。

③ 子どもの学校外でのICT活用は「学習外」が多いこと

学校外でのICT利用について、コンピュータを使って宿題をすることや、学校の勉強のためにインターネット上のサイトを見るなどの「学習面」に関わる部分の利用状況はOECD平均以下でした。対してネット上でチャットをすることや、1人用ゲームで遊ぶなどの「学習外」利用はOECD平均以上でした。

このような学校のICT利用の問題点から、文部科学省はGIGAスクール構想を立ち上げることとなったのです。

【GIGAスクール構想とは?】

GIGAスクール構想の大きな目標として、「1人1台端末」が挙げられます。これは生徒1人に1つコンピュータ端末を与えるというものです。そうすることで特別な支援を必要とする子どもを含め、多様な子供たちを誰一人取り残すことなく、公正に個別最適化され、資質・能力が一層確実に育成できる教育ICT環境を実現するとしています。また、これまでの日本の教育実践と最先端のICTのベストミックスを図ることにより、教師・児童生徒の力を最大限に引き出すことも目標としています。そうすることで、学習活動の一層の充実や、主体的・対話的で深い学びの視点からの授業改善に繋がります。
この「1人1台端末」の環境を整備することで、3つのメリットがあると文部科学省は主張しています。

① 一斉学習において、教師は授業中でも一人一人の反応を把握できる

子どもたち一人一人の反応を踏まえた、双方向型の一斉授業が可能になります。

② 個別学習において、各人が同時に別々の内容を学習できる

個々人の学習履歴が記録されるため、一人一人の教育的ニーズや、学習状況に応じた個別学習が可能になります。

③ 協働学習において、一人一人の考えをお互いにリアルタイムで共有できる

子供同士で双方向の意見が可能になるため、多様な意見に即時に触れられます。

この他、ICTの活用により充実する学修の例として、調べ学習や表現・制作、遠隔教育などが挙げられています。

【学びへの活用】

では実際、ICTはどう学びに活用されるのでしょうか。ここでは文部科学省が挙げている学びの活用例について紹介します。

① 検索サイトを活用した調べ学習

一人一人が情報を検索し、収集・整理します。子どもたち自身が様々な情報にアクセスし、主体的に情報を選択することが出来ます。これまでは本や辞典など、アナログなもののみでの調べ学習が行われていましたが、情報を得られる媒体が増えたことで、より生徒の情報収集能力が上がることが期待されます。

② 一斉学習の場面での活用

誰もがイメージしやすい教材を提示することが出来ます。画像や動画を使用することが出来るため、文章のみでは想像しづらい生徒も、一目でイメージが付くような教材を使用できます。また、一人一人の反応や考えを即時に把握しながら双方向的に授業を進められます。これまでの一斉学習では、教師が生徒全員の反応を把握することが難しかったのですが、その問題点が解決されます。

③ 文章作成ソフト、プレゼンソフトの利用

子供たち一人一人が考えをまとめて発表します。共同編集で、リアルタイムで考えを共有しながら学び合えます。このようなソフトは社会人になってからも使用するものです。ソフトの使用スキルや、プレゼンテーション能力が身に付きます。

④ 一人一人の学習状況に応じた個別学習

デジタル教材を活用し、一人一人の学習進捗状況を可視化します。そうすることで、様々な特徴を持った生徒によりきめ細やかな対応を行えます。従来の宿題の出し方では、全員が同じ教材、同じ問題に取り組むことがオーソドックスな出し方でした。しかしICTを活用することで一人一人の苦手分野が分かり、その生徒に合わせた宿題を出しやすくなります。

⑤ STEAM教育での活用

STEAM教育とは、Science,Technology,Engineering,Art,Mathematics等の各教科での学習を実社会での課題解決に活かしていくための教科横断的な教育です。この教育における探究のプロセスの様々な場面で、ICTを効果的に活用することが出来ます。例えば課題の設定や情報の収集、整理・分析などの場面で役立ちます。

【今後期待される効果】

ここまで、GIGAスクール構想を推進したことで起こるメリットについて紹介しました。ここでは、今後もGIGAスクール構想の環境を維持することで、さらに期待できる効果を紹介していきます。

① 生成AIを活用した教育

ChatGPTなどの生成AIを使用している人は多いのではないでしょうか。今や何を使用しても生成AIが出てきますよね。AIの技術も日々進化を遂げており、画像や文章を瞬時に作成する生成AIの制度も高まっています。
このような生成AIは、教育現場で適切に活用することで、児童や生徒の学習のサポートや、教員の業務効率化が期待できます。文部科学省のガイドラインによると、教育現場で生成AIを活用する場面は、グループの考えをまとめたり、グループ内での足りない視点を見つけ、議論を深めたりするような場面です。

② 児童生徒の情報活用能力の向上

現代社会はICT機器に触れないことがないくらい、ICT機器で溢れています。筆者の時代はスマートフォンを子どもが持つのはあまり見ないというレベルだったのですが、今の時代は小学生、はたまた幼稚園生までもがスマートフォンやタブレットを使いこなしています。このような時代においては、学校でICT機器の使用について教える必要がより増えていることでしょう。そこで1人1台端末を用いることで、子供たちの情報活用能力の向上が見込めます。


【まとめ】

今回は、GIGAスクール構想について紹介しました。これまでの教育とは異なる部分も多く、今までの価値観や考えとは違ったものである箇所もあるでしょう。GIGAスクール構想のメリットを増大させて、よりよい教育がなされていくと良いですね。

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我那覇 脩基

この記事を書いた人

我那覇 脩基 Syuuki Ganaha

大学1年時から学習塾にて個別指導と集団指導を担当。大学卒業後は中高一貫校にて教壇に立ったのちに「オンライン塾ハイフォレスト」を開校。

保有資格:中学校教諭一種免許状(社会)所持
関連する実績:全統マーク模試全国1位(国語)
経験年数と受賞歴:教育現場経験10年

根本的に理解することを目標に、会話を通して一緒に考えるスタイルで生徒さんから厚い信頼と好評をいただいております。学業について日々哲学的思考を行っております。

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